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フィギュアスケートの編曲やオペラについて雑多に書くブログ

ビゼーの『カルメン』を3つの公演で観比べてみた

 

こんにちは。

 

今回は、わたしがこれまでに鑑賞した3つのカルメンについて紹介していきたいと思います。カルメンの作曲家はビゼーです。ビゼーといえばやはりカルメンですね。「真珠採り」なども時々上演されることがありますが、やはりなんと言っても彼のマスターピースはこのオペラです。

しかし、わたしが一番最初にカルメンを見た時の感想というと

「ホセ、マジ無理」

というもので、ホセの嫉妬深さの強烈さの余りオペラそのものの良さというものが全くわかりませんでした。(え!?そこでマザコン発動する??という残念さもあった)初演も実際上流階級に受け入れられず失敗に終わり、失意の余りビゼーは相当なショックを受けたとか。しかし、何度か耳で聞いていくうちに、その音楽の奥深さとビゼーの天賦の音楽的才能に魅せられ、このオペラとの向き合い方は大きく変わっていきました。このオペラはいわば、噛めば噛むほど美味しさが出てくるオペラです。見るたび新たな発見に気づけ、カルメンという女の魔力、ホセという感情的な男の心情に心打たれます。上流階級とかけ離れたロマの女と兵士の恋。他のオペラとは一線を画すこのオペラが傑作と言われる所以が、痛いほど理解できるようになったのです。そういうわけで最近カルメンが大好きでたまらないので、いろいろ見て感じたことを記事にして書いていゆきたいと思います。(見たことの無い方はWikipediaのあらすじを参考に)

 

 

 1.メトロポリタン・オペラ 2010-11「カルメン


Carmen: "Près des remparts de Séville" (Elina Garanca)

 ・カルメンエリーナ・ガランチャ

 ・ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ 

 

 安心と信頼のメトロポリタン・オペラ(*当社比)の公演です。そうゆうこともあって、この演出の主人公はカルメンとホセの2人、鉄板といえる演出です。二人の歌手もさすがの有名所、ガランチャさんとアラーニャさんです。ガランチャさんのカルメンはホセを誘うような仕草や表情、そしてホセに殺される最後の切ない表情が最高です。アラーニャさんのホセの甘い声、狂気じみたホセの演技もさすがですね。私は特に上に貼った「セビリア城の近くで」のアリアでの二人が大好きです。ホセの心境の変化がとてもわかり易くてなんだかかわいい。スペイン風のセットや衣装も細かいところまで素晴らしいですね。

 スタンダードな演出で親しみやすい公演。初めてこのオペラを見るのには最適な公演です。

2.ロイヤル・オペラ・ハウス ライブビューイング2017−18「カルメン


CARMEN von Georges Bizet

(上の動画はロイヤル・オペラ・ハウスでの公演ではありませんが演出はまったく同じものです)

 ・演出:バリー・コスキー

 ・カルメン:アンナ・ゴリャチョヴァ

 ・ドン・ホセ:フランチェスコ・メッリ

 

 大きな階段だけを使ったセットに合唱を大胆に活かす演出。しかもこのカルメンにはエネルギッシュなダンサーが6人も出演し、フランス映画のようなおしゃれなナレーションまで付いています。音楽の面でもこれまでのものとは異なります。このカルメンではなんとカルメンが初演を迎える前の、初稿版の楽譜を使っているからです。この楽譜には、モラレスのアリアが登場し、ハバネラが途中で全く別の曲に変化します。その音楽の変化もとてもおもしろいです。個人的にはこの初稿版も結構好きでした。

 このカルメンは、「スペインでのいい女20か条」がナレーションによって読み上げられるところから始まります。その後ところどころに現れるこの声は、カルメンのリブレットに書かれていないようなことまで新たな見解を示してくれます。この声とオペラの間が絶妙で聞いていて心地よかったです。

 この演出の主人公は(そのナレーションからも感じますが)カルメンです。なんとカルメンは、ゴリラの着ぐるみを着て階段の上から登場、そのままそれを脱ぎながら階段を下っていきます。この登場はさすがに予想外だぜ…!そのカルメンを演じたアンナさん、彼女のすこし冷酷ともいえる恋心の移り変わりが、表情やふるまいからもとても良く伝わってきますし、また彼女をそうさせる女としての魅力もすごく感じられます。この最高のカルメンを、さらに彼女をカルメンたらしくさせるのは最後の3秒の演出です。ホセに刺されたカルメン、通常ならそのまま倒れて終了ですがこのカルメンは違います。ホセがいなくなった後、なんと彼女はスッと起き上がり「何だアイツ?」と言わんばかりのポーズ、表情もひょうきんです。ここで照明がプツッときれてこのカルメンは終わり。会場は笑いに包まれていました。ウ〜〜〜〜ッ!!!カルメンが過ぎるぜッ!!アツイ!!!

 

 さらに素晴らしいのは合唱隊です。「合唱をただの個性のないコーラス隊にしたくない」と言った演出家の熱量がすごくよく伝わってきます。ひとりひとり個性を出しながらも、まとまりを保った彼らの存在はこの演出の大きなテーマである人間について深く考えさせてくれる大事な出演者です。また、6人のダンサーもエネルギッシュなダンスで場の雰囲気を支配し、大きな階段に場面毎に違った景色を見させてくれました。この黒が基調の舞台装置では証明も映え、光による演出もとてもかっこよかったです。

 

ミュージカルのようなオペラ。新しい感覚で4時間の上映もあっという間でした。

 

3.エクサン・プロヴァンス音楽祭2017「カルメン


La Fleur Que Tu M'Avais Jetee, Carmen: Michael Fabiano


Finale, Carmen: Stephanie d'Oustrac, Michael Fabiano

 ・カルメン:ステファニー・ドストゥラック

 ・ドン・ホセ:マイケル・ファビアーノ

 

 このカルメンの演出は上の2つの公演とはかなりかけ離れたものです。この演出は見る人によって好き嫌いが大きく分かれる演出だと思いますが、私は大好きです。

なんと言ってもこの演出の前提として

倦怠期のカップルがセラピーでカルメンを演じる

という設定があるからです。(何を言っているのかわからないかもしれませんが、わたしもわかりません。)ドン・ホセ役のファビアーノさんはほぼ舞台に出ずっぱり、セットもずっと同じセラピー会場、演出に合わせカットされる場面もあれば、伴奏はあるのに歌われない場面も。こんなにいわゆる正常なカルメンとはかけ離れているのに、なぜかカルメン」というオペラの真髄を一番感じることができた演出だったのです。この演出での主人公はホセです、ホセの心情をリアルに読み込んでいくことで、このオペラの深いところが見事に見えてきます。私はマイケル・ファビアーノさん(カツラ付けると普段とギャップありすぎて恋に落ちそうになるテノール部門1位)が前から好きなのですが、これを見てその演技力の高さにさらに好きになってしまいました。

(しかし、カルメンを見たことがない人がこの演出のカルメンを見ることはあまりおすすめしません、たぶん意味がわからなくなる)

 

 このカルメンは、倦怠期のカップルがセラピーで契約を済ませる場面から始まります。その二人は、後のドン・ホセとミカエラ。ミカエラは淡いピンクのコート、ホセはその色と同じシャツに上下青色のスーツ。ホセは何をすればいいのかわからないまま右往左往、すると突然前奏曲が始まります。まずは支配人に携帯や財布などを預け、役に入り込ませます。そしてモラレスなど、たくさんの役者が一堂に出てきます。はじめは戸惑うホセですが、ニッコリマークを見せられ笑顔に。すると突然ミカエラ役として出てきたのは、なんと「自分は出ない」と言っていた彼女。ミカエラ役をこなしていきます。しかしホセのスーツと同じ青い色のつなぎを着て出てきたカルメンを見てホセはまんざらではない様子です。これを見て怒った彼女。しかしその後のシーンでミカエラからのキスに普通のホセなら笑顔ですが、このホセは本気で嫌がってます。当然その反応にミカエラはショック。反対に、ホセはミカエラが出て行った後もネクタイで縄を結んだりカルメン役の女性とイチャつきます。すると突然、警察が大勢銃を持って入ってきます。ここではじまるのが、ホセを誘うカルメンのアリア「セビリア城の近くで」です。この歌が終わり第1幕が終わるとともにここで支配人から警察も役者であることが告げられ、ホセの感情の起伏の戻りを称賛。

 そして続く第2幕、ホセはノリノリで歌いながら入場(伴奏なし)しかしラッパの音とともに帰らねばならないという台本を読みます。呆れた演技をするカルメン。しかしホセの熱量はヒートアップ、イスやら机やら大きく動かしてしまうほどの役への入り込みに、カルメンも当惑してしまいます。それを見た支配人から「ここでやめよう」と告げられますが、「いや、続けよう」ともはやホセになりきってしまいます。

 続けて第3幕、ホセはカルメンのところへ気を引いてもらいに何度も近づきますがカルメン知らんぷり「全員出て行け!」と叫びホセとカルメンが残ります。ホセはカルメンに近付こうとしますがここで2人の女がカルメンのもとに駆けつけホッとしたような様子。カード占いのシーンの始まりです。このカード占いの結果は2人の運命を暗示したもの、しかし彼女は本気で彼に恐れをなしています。また、次のシーンではカエラが何故かエスカミーリョとともにセラピー会場へ。「夫に2人でいるところを見せつけたい」と言い2回で見ているホセの前でキスをします。そこで次のシーン。ホセがカルメンに会いに来たというエスカミーリョに出会います。しかし、役の領域を超えたホセのエスカミーリョとの闘争の本気さとカルメンへのあまりの熱量に周囲も当惑してしまいます。その後台本通りミカエラとホセは母の危篤を知り故郷へと帰りますが、ホセのあまりの入り込みと執念深さに自分の運命を何百回も繰り返し、知っているカルメンは今回の熱量のすごみに感じたことのない恐ろしさを感じ、支配人にやめるよう言いますが聞いてはくれません。

 そして第4幕、グレーのスーツを着たホセが会場へ。と、思いきやホセではありません。なんと、新しいセラピー受講者だったのです!そこで自分の始め受けたような待遇を見て驚きを隠せない本物のホセ。周囲の役者と話をしようとしますが取り合ってくれないどころか、自分の事が見えていないようでした。そして4幕の台本通りカルメンエスカミーリョが入ってきます。しかしその後はホセとのシーン。カルメンはその後の二人の運命を知っているので再び支配人にやめてほしいと告げに行きますが取り持ってはくれず、カルメンと2人きりになったホセは、関係を戻そうとします。カルメンは冷たい女を演じるしかありません。そこで嫉妬に狂ったホセはカルメンを襲った挙げ句脅迫。脅迫も意味を持たないことを嘆き何度も何度もカルメンの腹を刺します。(本当に刺してはいない)「俺を逮捕してくれ!!」と泣きながら訴えるホセを前に、陽気な音楽と新しいセラピー受講者の矯正祝賀パーティが開かれる会場。ミカエラと起き上がったカルメンが嫉妬に怒り狂った自分に涙を流すホセを慰め幕。

 

どうでしょう。このオペラが終わって拍手の合間も、ホセ役のファビアーノさんは放心状態でずっとカルメンを殺した「ホセ」のままのようでした。いつもは爽やかな笑顔を見せてくれていた気がしたので、彼がどれほどこの役に入り込んでいたかがよくわかりますね。この演出は、人間の感情表現が本当にリアルで見ている方が恐ろしく感じてしまうほどのものでした。感情を無くしたことを直しに来たのに、3時間でこんなにも感情を激しく入れ替えることのできてしまう人間の恐ろしさをホセの演技から感じます。感情が有るゆえの恐ろしさは、無い時に大きく勝ってしまいますね。

 

オペラの演出は時に見る側の視点も、時代も、場所も変えてしまうものです。しかし、このように同じ演目を様々な演出で見ていくことはオペラならではの楽しみ方であり、とてもおもしろいですね。

 

3番の公演を見た後感動のあまりウオォォォ!!!と思ったことをただ書いていったまとまりのない産物ですが、こんな感じでこの記事を終えたいと思います。

 

ではでは。

ミラノ万博備忘録6 -ロシア館-

 

こんにちは。

 

今回は、ロシア館について書いていきたいと思います。前述のとおり私はスケートファンなので、フィギュアスケート大国のロシアは私にとって見逃せない展示でした!

ロシアだしやっぱりボルシチとかピロシキに関する展示かなぁ〜と思いながらワクワク。

 

そしてロシア館に到着。

なんか建物めっちゃ反ってるしかっこいい〜!

しかし待ち時間は夜だったこともあり0分でした。(やったー)

 

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[左]反ってるゥ〜[右]エントランス

 

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スケオタおなじみのBOSCOっぽい

入るとこんな感じで実験道具が。どうやら周期表を作成したロシア人研究者メンデレーエフに関する展示のようですね!きれい!!!!

 

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[右]で◯じろう先生?[右]ニホニウムはまだ無い

 

あれ?でもこの万博のテーマってなんだっけ…!?

ここにして入った瞬間謎に科学を推してくるロシア館、一体どうしてこうなったんだ。たしかにメンデレーエフはすごいですけどね。この万博のテーマ、食だよね、、?

気を取り直して次に行きましょう!!!

 

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これは何だ…?

 次のエリアはなんだかよくわからなかったのですが様々な装飾品の置かれた台に、本の形をしたオブジェが置かれていました。SMOKED MEATと書いてあるのはわかるので、なにか料理名がたくさん書いてある本なのでしょうか。(ロシア語読めない)

しかしご安心ください!ちらっと見えるその奥のエリアは、きちんと食に関する展示でした!(写真撮り忘れた)様々な料理の写真がキューブに映し出されます。おいしそうじゃ。

 

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[左]なんかこわい[右]きれいなパターン

 次のエリアは空間を贅沢に使ったさまざまなパターン、グラフィックデザインの展示ですかね?また食というテーマを見失った気もしますが、きれいだからいいか!

 

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マトリョーシカちゃんたち

そして最後はお土産屋さん。マトリョーシカはもちろんプーチン大統領のTシャツも売ってました。 さすがロシアです。

 

ロシア館、コンセプトがよくわかりませんでしたが、内容がバラエティに富んでいておもしろかったです!というわけでこんな感じでロシア館のまとめを終えたいと思います。ではでは。

ミラノ万博備忘録5 -パビリオンゼロ-

こんにちは。

 

今回は、パビリオンゼロについて書いていきたいと思います。

 

なんかゼロとかつくといきなり中二病っぽくなりますが、パビリオンゼロというのはミラノ万博のメインエントランスから万博内に入った時に、入場者が1番最初に目にするパビリオンのことです。私が1番最初に入ったのもまた、パビリオンゼロです。

 

ここでは、食の歴史や大切さなど、食というテーマについて考えるとき基本となるさまざまな事柄を取り扱っています。

 

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[左]なんかかっこいい[右]大樹

パビリオンゼロに入ると、まずはじめに大きな棚の形のエントランスがあります。ここが食の物語をたどるスタート地点です。そこを抜けると大きな木がそびえ立ちます。すべての食の根源となる自然を表しています。(たぶん)

 

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果物や野菜、種子、穀物のゾーン


2つめのゾーンは野菜、果物やさまざまな穀物の展示です。天井からぶら下がったスクリーンにはカラフルな野菜や果物が投影され、壁には種子や穀物など(本物!)がアクリルで仕切られ埋め込まれています。

 

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[左]ギョギョギョッ![右]猫ちゃんはたべない

3つめのゾーンは動物の展示です。私たちが普段口にする魚や肉の元となっている動物たちの白い模型が展示されています。かわいい。

 

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吊るすの好きだな

4つめのゾーンは農業に関する展示です。野菜や果物を作るときに使う農具や水車が展示されています。水車は実際に動きます、すごい!

 

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CMの横ではリアルタイムで食品の市場価格が動く仕組み


5つめのゾーンは食品の取引の展示です。今まで見てきたさまざまな食品が、加工され、宣伝されたのちさまざまな価格で売られていきます。

 

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私達が向き合わなければならないこと

ここまでさまざまな食品が私たちの口に入るまでの過程を見ていきましたが、実はこのパビリオンの最後のゾーンで展示されるのは、廃棄となった食品の模型です。今まで、食品の流通過程を楽しく見てきましたが、それぞれのゾーンで展示されていたすべての食品たちが最後にはここに廃棄となって集められています。あえて今までそれぞれの食品がどのように生産され、私達の食卓に並ぶのかを視覚的に見せられたことで、より一層この問題について深く考えさせられました。パビリオンゼロ、奥が深い展示です。

 

これくらいで、パビリオンゼロのまとめを終えます。ではでは。

 

 

 

ミラノ万博備忘録4 -フランス館-

 

こんにちは。

 

今回は、フランス館について書いていきたいと思います。

 

世界3大料理の1つでもあるフランス料理。今回の食のテーマとは相性がピッタリですね。こちらは(テロ対策なのかわかりませんが)実はきちんとした屋内のパビリオンではありません。しかし、さすがはおフランス。展示デザインがおしゃれでかっこいいです。 

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シンプルでおしゃれ

こちらのパビリオンはショーなどはやっていないため回転率のよいパビリオンで、ほとんど並ばずに入ることができました!(やったー)

 

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[左]ギョギョッ![右]木の作りがかっこいい

木を基調にしたパビリオンは、たくさんの調理器具や食材、ワインボトルで飾られていて、とてもおしゃれ。入った瞬間その空間の使い方のおしゃれさとあまりのフランスみに感動を覚えました。

 

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[右]ワインボトルと左下のイタリアお兄さんがジャストフィット

壁の細かいところをよく見ると、器の歴史であったり、きのこの種類なども展示してあります。細部まで拘っていますね。

 

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[左]どんどん軽くなってる[右]tictocかと思ったらきのこだった

 

最後はおきまりの軽食ゾーン。

カロンやサンドウィッチを売ってました。

そして外ではめちゃくちゃゴツくてカッコいい車生ハムをいっぱい配ってました。(めちゃくちゃおいしい)

 

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[左]おいしそうである[右]他の人のふりして3回ぐらい食べに行った

 

こんな感じでフランス館のまとめを終えます。フランス館はおしゃれでテーマにぴったりのパビリオンでした。

 

◯おまけ

ミラノ市内の本屋さんで見つけたHaruki Murakami(特設コーナーのできる人気ぶり)とHayao Miyazaki。そういえばどっちもイニシャルHMですね。なんとなく嬉しかった瞬間です。

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世界のHM



 

 

 

 

 

 

ミラノ万博備忘録3 −日本館−

 

こんにちは。

 

今回は、我らが日本館について書いていきたいと思います。 

 

日本館の演出を担当したのは、インタラクティブなデジタルアートで今注目を集めている、チームラボです。

 

そのチームラボの技術力が結集した日本館は、パビリオンプライズの展示デザイン部門で見事金賞を獲得しました。すごい!さらに、最も好きなパビリオンでも1位に選ばれたとか。

 

そういうわけで、多い時には10時間待ちと大人気。待つことが苦手なイタリア人をここまでして待たせるということはすごいことです。

『10時間待つなら日本に行ったほうが早いのでは?

と現地のニュースでも報じられていたようですね。

 

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木でできたかっこいい外観

日本館のウワサは予々聞いていたので朝早く起きて開演時間より前にエントランスに並びました。開演と同時にダッシュです!!しかし日本館に着くともう列ができていました。めっちゃ走ったのに!!

なんと開園より先に並んでいたのは他国のパビリオンのスタッフたち。

そ、そんなのアリかよ!!

と思いましたがそれほどまでして日本館を見たかったんだなとも思い、なんとなく誇らしげな気持ちに。しかし、走ったおかげもあり結局30分ほどで中に入ることができました!

 

並んでいるゾーンにはシャチハタの印鑑が置いてあり、子供は赤・黃・緑、3つのはんこを組み合わせてお弁当を作ることができます。(怪しい年齢だったけど頼み込んだら貰えた)

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[左]イタリアキッズの心をつかむシャチハタ[右]完成品

 

そしていよいよパビリオンの中へ。入って最初のエリアは書道家紫舟さんの作品の展示です。周りのイタリア人たちもそのかっこよさに興奮。

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か、かっこいい、、!

次はチームラボによるデジタルアートの展示。真っ暗な空間に、平たいキノコのような形をしたやわらかくて白い物がたくさん並んでいます。

ここでは、日本の四季をイメージしたプロジェクションマッピングが空間全体に投影されます。まるで自分が日本の田園風景の中にいるような気分になれました!

 

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幻想的な田園風景

 

次の部屋は、インタラクティブなアートのエリアです。流れる滝にスマートフォンを入れ、あらかじめインストールしておいたアプリを起動し流れてくる日本食を引き寄せると、詳細が表示されるしくみです。自分のスマホと連動できるのがすごい!

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[左]滝に流れる日本食[右]アプリに集めたものが表示される

 そして食品サンプルがたくさん並べられた廊下を通って、つぎの部屋へ。

並べ方がとにかくかわいくて、小さい頃からサンプル好きのわたしはこのコーナーに大興奮でした。

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めちゃリアル

次はなつかしのモリゾーキッコロの展示、モダンな食卓の展示と続き、最後にショーが始まります。

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[左]よっ!久しぶり![右]こんな食卓で食べてみたい


このショーでは、ファミリーレストランのように大きな机に6人程度が着席して楽しむ未来のレストランを体験できます。1人に1つ机にタッチパネルのディスプレイが用意されていて、そこに様々なものが映し出されます。操作はあらかじめ設置されているお箸でできます。

はじめに、日本料理のフルコースが画面上に出てきます。女将さんの美しい手で出される色とりどりの四季の和食を目で楽しめました。ここでは、和食の素晴らしさだけでなく、日本のおもてなしの奥深さも感じることができます。さらにディスプレイと会場全体の一体感も素晴らしかったです!このショーは本当に感動モノで、あっという間に終わってしまいました。

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フューチャーレストラン

ショーが終わると、パビリオンの展示は終了です。パビリオンの横では、CoCo壱番屋モスバーガー、サガミなど、さまざまな日本食をお手軽に楽しむことができます。

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ちなみにわたしはココイチでカレーを頼みました。(チーズとかベーコンばっかり食べていたので日本のカレーが体に染み渡った)

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[左]日本館で貰えたもの。キティちゃんがかわいい。[右]朝日新聞Globe特別版

 

こんな感じで、日本館のまとめを終えます。日本の魅力を改めて実感できる本当に素晴らしいパビリオンでした!

ムーラン・ルージュとフィギュアスケート

 

こんにちは。

 

本記事では、

映画「ムーラン・ルージュ」の劇中歌を使用したフィギュアスケートのプログラムをまとめていきたいと思います。

 

 

映画「ムーラン・ルージュ」はニコール・キッドマンユアン・マクレガーが主演のミュージカル映画です。舞台はパリ、作家志望の青年クリスチャンとキャバレー「ムーラン・ルージュ」の花形スター、サティーンの恋物語を描く作品。この映画は、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」と、ヴェルディのオペラ「椿姫」が土台となっています。

 

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2つのオペラと映画「ムーラン・ルージュ」の関連性


これまでこの映画の楽曲を使用した多くのフィギュアスケートプログラムが演じられてきました。今回はこの映画音楽を使用した数々のプログラムを振り返っていきたいと思います。(この映画を観たのが少し前なのでちょっと間違えているところがあるかも)

 

◯Nature Boy

◯Come What May


16 Vincent Zhou FS 2018 US Champs

・ヴィンセント・ゾウ 2017-18 フリープログラム

まずはデイヴィッド・ボウイのNature Boyから始まり、ヴァーチュー&モイヤ組のようにCome What Mayへと繋がっていきます。しかしこの編曲のCome What Mayはどこか悲しげなものです。少しテンポを遅くしているようですね。このプログラムを演じた彼のオリンピックも6位と素晴らしいものでした。4回転をバンバン飛んでいける非常に技術力の高い選手です。これからに期待が高まりますね。

 

◯Sparkling Diamaonds

Sparkling Diamonds

Sparkling Diamonds

  • provided courtesy of iTunes

 

村上佳菜子 2018 ショープログラム

先日のプリンスアイスワールド2018にて初披露されたプログラムが、このSparkling Diamaondsです。(演技後半はジュニア時代に使用していた楽曲「ジャンピングジャック」)この曲は、花形スターのサティーンが主役としてムーラン・ルージュのショーに登場する場面で歌われる曲です。「ダイアモンドは女のベストフレンド」と高らかに歌われます。この場面で、ムーラン・ルージュに忍び込んだクリスチャンは初めてサティーンと出会います。村上さんのプログラムでは、彼女の溌剌とした雰囲気が振り付けとよく合っていて、とてもかわいらしいです。(とくにサティーンと同じタイミングで投げキッスする振り付けでは、全観客が悩殺)衣装もサティーンのものとよく似ていて素敵です。

 

◯Nature Boy

◯Hindi Sad Diamonds

◯One Day I'll Fly Away

◯The Show Must Go On


2015 US Nationals Ashley Wagner Free Skate

  

アシュリー・ワグナー 2014-15 フリープログラム

ワグナー選手が2015年全米選手権において優勝した際のフリープログラムです。

Nature Boy のどこか悲しげな曲調から始まり、Hindi Sad Diamondsの終盤のフレーズ→One Day I'll Fly Away→The Show Must Go Onときれいにつながっていきます。One Day I'll Fly Awayはサティーンの葛藤を描いた曲です。この場面でムーラン・ルージュのためパトロンとなる公爵に身を売るのではなく、貧乏だけど心から愛しているクリスチャンと自由に生きることを渇望している彼女の心持ちが告白されています。Hindi Sad Diamondsはキャバレーの劇中でサティーンが登場した際に歌われる劇中歌の劇中歌です。The Show Must Go Onもまたその劇中で歌われます。これらの楽曲はそれぞれ独立しているのですが、全く違和感の無い楽曲編集でスムーズな繋がりのままで1つの曲として完成されているところが素晴らしいです。それぞれの曲の活かし方がうまいですね。サティーンの女性としての強さが表現されている曲の数々がワグナー選手にピッタリ合った素敵なプログラムです。

 

◯Your Song


2015 GPF Pairs SP Meagan Duhamel & Eric Radford Your Song by Elton John

・メーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード 2015-16 ショートプログラム

こちらもクリスチャンがサティーンに初めて対面した時に歌う素敵な曲です。この歌がきっかけでサティーンはクリスチャンに恋をします。曲の世界観とこの二人のダイナミックな演技がピッタリ合っていますね。このペアはこの演技で世界選手権で金メダルを獲得しました。

“How wonderful life is while you're in the world”という歌詞を瞬時に思いつくクリスチャン、やはり作家なだけある。

 

◯El Tango de Roxanne

◯Come What May


Tessa Virtue and Scott Moir's Moulin Rouge at PyeongChang 2018 | Music Mondays

・テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイヤー 2017-18 フリーダンス

この二人のフリーダンスはEl Tango de Roxanne→Come What May という構成です。

わたしはこのプログラムが大好き100万回くらいは見ました

まずロクサーヌのタンゴではキレッキレで息の合ったダンスで完全に観客を彼らの世界観に取り込みます。わたしは「ローーーーーークサァヌッ!!!!」の「サァヌ」バシィッ!!と二人の動きがあったところで完全に心を撃ち抜かれました。

観客がもう彼らの魅力に弱りきったところで路線変更してロマンス系のCome What Mayを流してくるもんですから

トリュフ食べた後にフォアグラ食べさせる

みたいなものですね。この二人がやはり流石なのはCome What Mayが流れた瞬間まったく顔つきが変わるところです。ロクサーヌの時に見せていたキリッとした表情から一転、やわらかい表情へ。この曲は、クリスチャンは作家として、サティーンは女優として一緒に舞台を作っていく過程で歌われます。「高すぎる山も、広すぎる川も」乗り越えてきた2人の競技人生にぴったりの曲ですね。(I love youなのかは知らん)

終わり方もスコットの切ない表情がなんとも言えません。映画でも、サティーンがこの歌を最後に歌った後彼の腕の中で亡くなります。

(しかしオリンピックではこの演技が終わった後スコットが喜びのあまりテッサを力強くハグしすぎてめちゃくちゃテッサの背中が赤くなってたりドアを野獣のように開けたりするのでせっかく二人の物語に涙していたのですが笑うしかなかった)

 

◯El Tango de Roxanne


Kanako Murakami 2016 4CC SP 'El Tango de Roxanne'


2014 NHK Daisuke Murakami SP B.ESP2


Daisuke Takahashi 2005 SA SP

村上大介 2014-15 ショートプログラム

村上佳菜子 2015-16 ショートプログラム

高橋大輔 2005-6 ショートプログラム

エフゲニー・プルシェンコ 2015 ショープログラム

エヴァン・ライサチェック 2015 MWO など

 

ムーラン・ルージュと言えばなんといってもこの曲です。数々のスケーターがこの曲とともに歩んで来ました。村上大介選手は高橋選手にあこがれてこの曲を選んだとか。

どのプログラムも素晴らしいですが、わたしは村上佳菜子選手のロクサーヌが大好きです。この曲はどちらかというと男っぽい雰囲気なので、それを真っ黒のタイツをあわせたスタイルの衣装で踊る彼女が女のかっこよさを全面に出していて惚れるしかないですね。彼女のダイナミックなジャンプも曲調にとてもあっています。

 

まだまだムーラン・ルージュの曲を使用しているスケーターはたくさんいると思いますが、主なものをまとめました。どのプログラムも素敵なものばかりです。この映画の劇中歌には何か人を魅了する力がありますね。この映画は本当に素晴らしいものなので、観たことのない方はぜひ観てみてください。

 

ミラノ万博備忘録2 -スイス館-

 

こんにちは。

 

第2回目はスイス館の備忘録です。

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[左]これがスイス館だ! [右]スイス館整理券

スイス館は人気パビリオンのため、整理券がないと入れません。ではなぜそんなにも人気なのでしょうか?答えは、

めちゃくちゃたくさん色々なものをくれるからです。

 

なにも調べずスイス館へと赴いたわたしは整理券を持っていなかったため翌日再チャレンジすることに。

 

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出直してきな!といわんばかりのりんごくん

翌日真っ先に整理券を取りに行ったら余裕でした。

 

スイス館の細長い建物に入ると、中は倉庫風の作り。

 

どうやらコーヒーや乾燥りんご、プラスチックコップに塩。なんでも自由に取っていいらしい。

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すごい

しかし乾燥りんごのコーナーにいたお兄さんに、絶対に1人1個だからな!!!という無言の圧力を受ける。

 

スイス館のエリアは2つに別れており、1つはこの倉庫、2つ目は自然をアピールするエリアです。

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[左]水の流れる展示 [右]謎のスーパーキッチ
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空き瓶でできたアート

スイスの豊かな自然をテーマにした展示は、とてもきれいでした。(半分はもってけ!ポストカードゾーン

 

そして結果手に入れたものはこれくらいになりました。

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ポストカード大国、スイス
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団扇、カレンダー、プラスチックコップ、塩(コーヒーとりんごは食べてしまった)

想像した量の10倍位くれた・・・

(ちなみにポストカードはこんな量ではありません、この写真に写ってるものより実際に貰った量はかなり多いです)

ちなみにわたしのお気に入りは黒いポストカードです。かわいい。

 

こんな感じで、スイス館のまとめを終えます。

スイス館は聞いていたとおり超太っ腹なパビリオンでした。